暮らしの中で、毎日欠かせない「コンセント」。
家づくりの打ち合わせでは、照明やスイッチとあわせて「電気配線計画」の中で検討していきます。
小さな設備に見えますが、実際に暮らし始めてから
「数が足りなかった」「家具の後ろに隠れて使いにくい」
といった声が多いのもこのコンセント。
配置や数の計画次第で、日々の使い勝手や快適さが大きく変わります。
今回は、そんな“コンセントプラン”を考える際のポイントをご紹介します。
■ コンセントの種類と特徴
コンセントには、用途や設置場所によってさまざまなタイプがあります。
それぞれの特徴を知っておくと、より暮らしやすい計画が立てられます。
ダブルコンセント
もっとも一般的な2口タイプ。1口・3口タイプもあります。
マグネット式コンセント
磁石で接続するタイプ。足を引っ掛けてもすぐ外れるので、小さなお子さんや高齢の方がいるご家庭に安心です。
抜け止め式コンセント
プラグを回さないと抜けない構造。パソコンやテレビなど、常に接続しておきたい機器におすすめです。
扉(シャッター)付きコンセント
差し込み口にシャッターが付いているタイプ。感電防止に役立ちます。
アース付コンセント
漏電防止用。洗濯機や電子レンジなど、電力を多く使う家電に使用します。
アップコンセント(フロアコンセント)
床面に設置するタイプ。ダイニングテーブル下に設けると、ホットプレートや鍋を使う時に便利です。
USBコンセント
アダプタなしでスマートフォンやタブレットを充電可能。
マルチメディアコンセント
電源・通信・情報をまとめたタイプ。テレビやネット環境を整える際に役立ちます。
防水コンセント
屋外用。ガーデニングやライトアップ、洗車などに活躍します。
EV・PHEV充電コンセント
電気自動車の充電用。カーポートや門柱に組み込めるタイプもあります。
■ コンセントプランの考え方
まずは、どの部屋でどんな家電を使うのかを書き出しましょう。
キッチン、リビング、洗面所、トイレ、屋外など、思った以上にコンセントを使う場所は多いものです。
キッチンでは冷蔵庫・電子レンジ・炊飯器・トースターなど。
リビングではテレビ・ルーター・掃除機・加湿器など。
このようにリスト化しておくと、必要な数が見えてきます。
家具やドアの開閉で隠れてしまう場所は避けましょう。
電気図面上で家具・家電・扉の位置を書き込み、動線に沿って配置を検討するのがコツです。
掃除機など頻繁に抜き差しするものは、少し高めの位置(床から40cm前後)に設置すると使いやすいです。
デスクまわりやベッド横などは、家具に合わせて70~90cm程度に設定するのが目安。
水まわりでは、水滴がかからない位置に設置しましょう。
冬のヒーター、夏の扇風機、加湿器など、季節家電の使用場所も考えておくと安心。
また、将来的に子どもが成長したり、ペットを飼ったりするなど、暮らしの変化も見据えて少し多めに計画するのがおすすめです。
USB・マルチメディア・防水タイプなど、最近は機能付きコンセントも充実。
使う場所や目的に合わせて、最適なタイプを取り入れましょう。
ショールームやカタログで最新の製品をチェックしておくと、後悔のない選択ができます。
■ まとめ
コンセントは「数」と「位置」だけでなく、暮らし方に合わせた“使い勝手”が大切です。
図面上だけでなく、実際の生活シーンをイメージしながらプランニングしてみてください。
見た目には小さな設備ですが、
毎日の「ちょっとしたストレス」を減らし、快適な暮らしを支える大切な存在です。
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